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私が玄関のドアを開くと、部屋の奥からぱたぱたと足音が聞こえてきた。
どうやら今日は、小さい方でお出迎えしてくれるようだ。
「おかえりなさいっ(笑)」
走って来た克哉はぴょんぴょん跳ねながら私の足に抱きついて、にこぉ~っと笑った。
この笑顔で一気に仕事の疲れが吹っ飛ぶ。
「ただいま。克哉」
足にしがみついたままの克哉を抱き上げて、そっと頬にキスをすると、克哉は照れたようにまたにこにこと笑った。
「オレも、御堂さんにちゅってしたいです」
そう言うと、克哉は私の頬にキスをしてくれた。
ねこみみがぴくぴくと動いて犯罪的に可愛い。
「いつまで玄関でいちゃいちゃしてるんだ?」
その調子だと朝になるぞと、冷めた声で言われ、壁にもたれ掛かりながらこっちを見ている佐伯を同じく冷めた目で見返す。
「フン...。何だ、お前もして欲しいのか?」
「御堂さんからキスなんてされたら、俺、死んじゃうかもしれませんねぇ...」
「私がするわけないだろう」
「当たり前だ。受け入れるわけないだろう」
私も私だが、佐伯は言葉の表現がいちいち突っかかってくるように思える。
...いや、完璧に私を馬鹿にしている。
「あぁ、君は私じゃなくて、克哉のキスが欲しいんだったな」
「っ!!」
実は、佐伯は自分の半身の克哉のことが好きだ。
ナルシスト、ではないとは言い切れない(普段の言動から)が、自分であって、全く違う克哉が可愛いらしい。
前回言ったように、克哉は素直で愛嬌があって、可愛いからな。 克哉は...、気づいているようで気づいていない。
私と佐伯はその場でしばらく睨みあった。
先にこの空気に耐えられなくなったのは、やはり克哉だった。
きょろきょろと、交互に私と佐伯を見て、どうやら私達がが克哉のことを睨み付けていると思ったらしい。
「ぅ...、二人とも...?」
「「...」」
だが、本気で睨みあっている私と佐伯は、克哉が怖がっているという現実が頭の中に入ってこなかった。
「ね...、ねぇって...」
「「...」」
「ふぅ...っ、ぐすっ、うぇ」
「「?」」
ようやく耳に克哉の声が入ってきたと思ったときには、全体的にもう遅かった。
「う、うっ...、ふえぇっ」
「なっ!?」「克哉!?」
大きな瞳から、涙が次々にこぼれ落ちて行く。
身体は振るえて、みみはぺたんと伏せていた。
どうやら、知らない間に、私達の目付きはさらに鋭くなっていたらしい。
「克哉、すまなかった。その、いきなりどうしたんだっ!?」
泣きながら怖がっている克哉をさっきとは真逆で、佐伯と二人でどうにか笑顔に戻そうと、奮闘した。
「おい、オレ...、さっきのはお前を睨んでいた訳じゃないっ」
「ただ、その...、我慢大会だ!!笑った方が敗けだったんだっ」
言い訳が見苦しい...。
いや、今はそんなこと考えている暇なんてない。
「ふ、うぅっ!!ひっく、ぅ」
「「なっ!!」」
いつもなら、大体このあたりで泣き止んでくれるはずが、今回に限って、なかなか泣き止んでくれない...。
しかも、最悪なことに、私達に怯えの目しか向けていない。
「さ、佐伯...っ」
「何だよっ!?」
佐伯の声が震えていて、疑問に思って佐伯の方に視線を向けた。 佐伯は...。
「何故君が泣いているんだっ!?」 克哉まではいかないが、佐伯が涙を流していた。
「う、うるさいっ!!俺はオレの半身だから感情がこっちまで流れ込んできたんだっ!!ち、ちくしょおおぉ!!」
克哉は大泣き。
佐伯は感情移入中。
そして私は...、
「どうしてこうなったあぁぁ!!」
二人に振り回されて、号泣するしか選択肢がなかった。
そしてその二時間後、私と佐伯の涙を止めたのは、凄く冷静な克哉の「大丈夫ですか?」だった。
「「お前の方が大丈夫か?」」
そう言えば、克哉は変なところで冷静ということを忘れていた。
...と、言う事で「ぬこといっしょ」バージョン2です。
ただ、泣いているノマ克哉が書きたかったんです。
泣いているノマ克哉も可愛いですよっ!!
でも、やっぱりノマ克哉も眼鏡克哉なんですよね。
最終的には冷静になると思っています。
...それか、もういいかって吹っ切れるかどっちかですw
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自分なりにはがんばっていますので、どうか応援してください。
...それと、何かノマ克哉でリクエスト等があれば、
精神誠意(ボールペン以外で)描きますので、
「こんなのが見たい」
「これがこのブログには足りない」
「というか、R-18描けよ」
等、ありましたら、コメント欄にお願いします。
...あ、もちろんボールペンの方がお好みでしたら、
そっちで描きますのでよろしくお願いしますwww